◆忙しい経営者は会社を潰す!?

 

忙しい経営者は会社を潰す!?
経営コンサルタント 野田宜成

 

 

世界は大変革期

 

イギリスのEU離脱、トランプ氏の大統領、各国でベーシックインカムの実験導入検証が行われ、アメリカでは、自動運転が始まり、アマゾンは、レジの不要なスーパーを社員向けに実験を繰り返している。どこかの国の、何か分からないことではなく、自分事としてとらえ、どう自分たちに影響するかを考えることが、経営者の役割のように思います。

 

だから、忙しいだけの経営者では、時代の変革期に会社を変化させることができず、会社を潰すことになります。

 

潰さないためにも、無理矢理でも時間を捻出し、未来をいろいろ考え検討するそのためにも、いろいろ見て、聴く経営者にならないといけないのです。

 

不安は無知から来ます。勉強し続ける経営者が強いのです。そんな変革期の中、アメリカの消費や商売の仕方も変わってきています。

 

10年前と明確に違ってきたのは、スーパーでもはっきりと分かります。10年前には、オーガニックとconventional(従来型)だったのが、今では、もう1つ付け加わり、Local(地場のもの)が増えてきました。

 

「どうせ買うものであれば、自分たちの町、自分たちの地域で、お金を落とした方が良いのではないか?安いだけが良いわけではないよね。」と。

 

世界一のスポーツメーカーナイキや、ヨシダソースの本社があるポートランドや、アマゾン、スターバックス、ボーイング、マイクロソフトなどの本社があるシアトル、ニューヨークの隣にあるブルックリンなどには、ファーマーズマーケットが盛んになっています。これからは、ただ単純に、安い、良いだけではなく、そこに明確な思想が必要になってくるそんな時代の到来を感じるのです。

 

過去、歴史を見ると、人類初の動力飛行をしてから、まだ、113年しかたってない中、現在、アメリカでは、1日400万人が空を飛ぶ。これは、横浜市全人口が毎日飛行機に乗るのと同じ規模で有り、常に、アメリカの上空には、36万人が飛んでいるのです。

 

わずか100年強でこの変化です。車が普及したのはヘンリーフォードⅠ世が、誰でも乗れる安全で安価な自動車を1908年T型フォードとして世に出したからです。それから、たった100年後の、2008年にテスラーの1号車がq世に出しました。

 

30年前、まだ、パソコンは普及しておらず、ようやくワープロというのが家庭に入り出した頃です。20年前に、ようやくインターネットをやる人が少しずつ出てきて10年前には、iPhoneが、誕生したのです。

 

ものすごい勢いで変化しているのです。そして、その変化スピードが速くなっているのです。

 

アメリカの本屋さんは1995年に、5,500店舗あったのがたった10年後の2005年には、1,702店舗に落ち込みました。実に、10年で、3分の1以下になったのです。これだけ変化のスピードが速くなったのです。

 

自分の業界の市場規模が、10年で3分の1になると、えばら恐ろしいと思うのです。恐怖心を植え付けようと言うことでは無いのです。トップは、最悪を想定することにより準備をすることができます。

 

自分の業界が3分の1になるかもと、最悪を想像できたら何とかしなければと言う心が芽生え対策をいろいろとし、10年たったら市場は3分の1にならなかった、2分の1で済んだら、その分ラッキーに変わります。

 

社長は、先を見ないといけないのです。そして、未来を想像しないといけないのです。そうでないと、変化点を見誤るのです。だから、忙しい、忙しいと今だけを見ていると、対応が遅れるのです。

 

「忙しいを抜ける」

 

そのために最も重要なことは、「任せる」なのです。

 

 

ますます移動距離は増えている

 

 

これからは移動の生活が変わる!?

■合法的な入国者の世界合計

 1950年 2500万人

⇒2010年 10億人

実に、60年で40倍になっています。

■アメリカの自動車の保有台数

 1998年 5億5200万台

⇒2020年 7億3200万台

■アメリカ人の1日の移動距離平均

 1800年 50メ-トル

⇒2000年 50キロメートル

■都市居住者の移動距離合計

 2000年 年間230億km

⇒2050年 4倍の1060億kmになると予測

FAX、スマホ、宅急便、インターネット、VRと、ますます便利になってきているのにますます移動するようになってきている。

 

これは何を意味するのだろうか?

 

移動が、物理的な物から、体験に変わってきているのかもしれません。

現在、観光は、6.5兆ドルに達し、世界の雇用の8.7%を占め。世界のGDPの10.3%を占めている。これが、裏付けかもしれません。

 

そして、移動の概念も変わっていく。それも急激に。なぜならば、交通が二酸化炭素の全排出量の3分の1を占めているからです。CO2を削減し、気温上昇を抑えるのは至上命題になっています。すると、たくさん排出している、交通手段にメスを入れるしかありません。そのためには2030年には4台に1台、2050年までには全ての車両を次世代代車にする必要がある。(デトロイト トーマツコンサルティングより)

 

そして、2030年には、自動車販売数の3.3%は、自動運転付になっている。しかし、たった3.3%の台数が、移動距離では、33.1%を占めるようになるのです。この考え方からいくと、急激に自動運転者が商業車で普及します。すると、車の所有が無くなる可能性があります。

 

レストランに行こうとするとレストランを予約時点で、車が迎えに来て連れて行ってくれる。となると、今までは、タクシーや公共機関で行ってたものが来て欲しいお店や会社などが、車代を支払うようになります。

 

すると、どこに行くのも向かえに来てくれるなら、所有しなくてもよいと、成り得るのではないでしょうか?そして、その移動中にCMを表示したり、音声で話したりすると、そこで広告料が取れるので、移動費は本当にお金がかからなくなります。

 

こんな、未来を創造し、そこから、経営の方向性を考えるのが経営者の役目だと思うのです。

 

なので、経営者は忙しくては駄目になっていくと思うのです。

 


(有料メルマガ)たった5分、心財布温かくなる経済学 2017/01/10 00833号より
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